たらたら坂

秀吉が築いた「お土居」は河原町通の西端に沿うて南北にあった（中略） 寺町から三条大橋に至る約四〇〇米のあいだの三条通は、「お土居」を経て鴨川の堤防に通じる道路であったから、東高西低になっていた。いまも新京極の三条入口を俗に「タラタラ下（お）り」とよび、歩道がやや傾斜になっているのは、むかしの名残をとどめるものである。（竹村俊則『新撰京都名所圖會』巻四［白川書院・昭和37年］P30）

三条通から新京極通に入るところが、高低差1メートル足らずの緩やかな坂になっていて、「たらたら坂」という。すぐ西の寺町通にも坂はないのに、ここだけある。天正十八年(1590)豊臣秀吉が増田長盛に命じて三条大橋を作らせた際、橋梁を高くしてこの橋に至る三条通を堤にした名残という。 Read more